本研究では、薬理効果があるとされる熱帯食品材料の発掘を目的に、わが国唯一の亜熱帯地域である沖縄と熱帯食品材料が豊富に使われているタイ国において調査を行う。食品材料の薬理効果について、調査地域の人々がどのような意識をもち、どのような食行動をとっているかについてアンケート調査を行ない、食品材料の生体調節機能、特に成人病予防因子についての科学的立証の基礎資料とする。併せて、関係資料の収集を行い、参考に供する。 1 食品材料に対する意識と食品の利用等について、アンケート調査を学生とその母親を主たる対象として実施し、その統計処理を行い、現在、学会発表に向けて検討中である。 2 タイ国における食事摂取回数が、日本の場合と若干異なり、食行動に違いが認められた。 3 利用の多い熱帯食品材料には香辛料類、香草類、水産物類がみられた。 4 代表的料理については試作および記録をし、その栄養成分の分析を行なっている。代表的タイ料理のトムヤムクン、トムカ-ガイ、チキンカレ-等の栄養価(タンパク質等)は化学分析および文献により検討中である。 5 タイ国の食に関する学術報告、食品材料、料理および食品成分表等の文献収集も行なった。
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