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1994 年度 実績報告書

食物によるアルミニウムの経口摂取量

研究課題

研究課題/領域番号 06680033
研究機関京都府立大学

研究代表者

富田 道男  京都府立大学, 生活科学部, 教授 (90026013)

研究分担者 斉藤 学  京都府立大学, 生活科学部, 助手 (60235075)
南出 隆久  京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (60081551)
春山 洋一  京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (00173097)
畑 明美  京都府立大学, 生活科学部, 教授 (60046448)
キーワードアルミニウム / ICP / 鍋
研究概要

日常広く調理に使われているアルミ鍋をお酢(酢酸)で煮沸した時に様々な重金属が溶出することは既に報告してきたが、アルミニウムそのものについてはPIXE分析では十分な感度がなく正確な測定をしてこなかった。本研究ではICP(誘導結合プラズマ発光分光装置)を用い、調理を模擬し酢酸、食酢、乳酸、クエン酸等で煮沸した場合に溶け出るアルミニウムを高感度で定量することを目的とした。具体的には1)煮沸時間による溶出量の変化、2)酸度の違いによる溶出量の変化、3)繰り返し煮沸による溶出量の変化について測定を行なった。
アルミ鍋は市販の直径16cmの片手鍋を使用した。煮沸時間依存の測定を除き、試料は鍋に蒸留水及び1〜5%酢酸等の溶媒を約500ml入れ30分間煮沸した溶液を用いた。得られたサンプルを直接ICP(セイコ-SPS1500VR)で分析した。以下に結果を簡単に記す。
蒸留水や酢酸に浸しただけのもの及び蒸留水を煮沸したものからはアルミの溶出が認められなかったが、5%酢酸で煮沸したものからはアルミの溶出が明らかに認められ10分煮沸と30分煮沸ではほぼ煮沸時間に比例してアルミの濃度は高くなっていた。ICPでは物理干渉や分光干渉が無視出来ずこれらの干渉に対する補正をする必要があるが、特に酸性溶液の場合には物理干渉により濃度を低く見積もる傾向にある。今回の測定で補正をしない値で各々10、45ppmの濃度であった。
繰り返し煮沸による溶出量の変化は酢酸、蒸留水、クエン酸、乳酸については10回程度の繰り返しでは溶出濃度は殆ど変化していないと考えられる。一方、食酢については初めの2回については高いものの3回目以降は殆ど変化していない。
溶媒による溶出量は明らかに異なり高い順に酢酸、乳酸、クエン酸、食酢で蒸留水については殆ど溶出しないことが分かった。
以上の結果については95年の家政学会で発表すると同時に、追加実験をした上で論文にまとめる予定である。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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