研究概要 |
本研究の目的は,一人の生活者が一生涯を送る過程で,疾病を患い加療する場合にかかる医療関係費に関して,ライフコースを通じた負担状況を明らかにすること,その結果に基づいて生活者が準備すべき生活設計上の方策を示すこと,生活者にとって真に望ましい公的医療保険制度や医療供給体制がいかなるものかを提示することにある。この目的に沿って実施した本研究ては,以下の実績を得た。 医療保障制度や医療供給体制,医療費分析,生活設計に関する文献,資料の検討を行った。専門家から専門知識の提供を受けた。厚生省等の各種調査結果を用い,疾病構造,医療費,受診状況,公的医療保険の財政状況,患者としての生活者の医療費負担の実態分析を行った。またこれらを基に,ライフコースを通じた生活者の医療費負担の推計を行った。付添い看護および室料差額の実態に関する事前調査および本調査を行った。それらの調査結果の集計を行い,検討した。ライフコースを通した医療費負担の推計と実態調査結果とを総合して,生活者のライフコースを通した医療関係費の負担を算出し,検討を行った。 以上のことをから,ライフコースの視点から生活者の医療関係費負担を示すことによって,生活者にとって必要な生活設計上の方策,望ましい公的医療保険制度や医療供給体制のあり方について,検討結果を提示することができた。
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