本研究では、乳幼児をもつ世帯に焦点をあて、家族構成・職業タイプ(労働実態)・家事育児分担の実態・夫婦観・家事育児観・社会との関係の持ち方等から家族生活意識における変化を把握し、いくつかの典型として整理した。また、職業や住宅の移動などが以外に多くみられ、乳幼児の成育環境は安定したものではないことがわかった。 研究方法として、最初はアンケート調査を予定していなかったが、保育者ヒアリングによって入所者の家族の生活変動が非常に大きい様に感じられ、その実態を把握する必要性を感じ、正規雇用の多い保育園、パート労働のおおい保育園、市街地内保育園とニュウタウン内保育園といった労働と居住地タイプから5ケ園を選定し、調査を実施した。あわせて、同じ保育園の保護者に対して許可をえた様々なタイプの家庭を訪問し、ヒアリングと、ぷらん採集をおこなった。 被調査者の記入してくれた住み方プランの分析は未だ作業中であるが、こどもの生活にそったすみかたの工夫については今ひとつなされていないようすがうかがえる。 乳幼児の減少と女性の労働参加の増加により、乳幼児をもつ共働きの支援をどのようにおこなうかは社会的課題といってよいが、とうの家族は、毎日の生活が忙しく住み方の工夫をこどもの成長と共におこなうことを意識する暇がないようである。ハッキリ課題として提起されればそのような傾向も減少すると思われる。
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