健康な成人男子11名を被検者として、平成6年11月(非積雪期)と平成7年1月(積雪期)の2回、ランニングの強度と代謝特徴を測定した。積雪期の路面は雪質によって大きく条件が変わるが、今回の路面は非積雪期と同じ着衣・シューズで走行できる恵まれた条件であり天候、気温とも穏やかであったことなどから、同じ速度に対するVO_2、心拍数、血中乳酸値からみた強度は非積雪期よりもやや高かったが、VO_2/V_E、HR/V_2などの関係からみた代謝は非積雪期とあまり異ならなかった。しかし、別に行った測定で、成人男女各1名が心拍数計を装着して日を変えて非積雪期に5回、積雪期に6回速歩およひランニングを実施した結果、同じ速度に対して積雪期の方が6〜10拍/分の心拍数が高く、積雪期には同じ速度でも10拍/分以上の変動がみられたこともあった。このことから、積雪期については、雪質、気温の違いによる強度と代謝特徴について同じ被検者について繰り返し測定を実施し、その変動の程度、変動の要因について検索する必要があると思われた。これらの成果を平成7年度の日本体力医学会などで発表し、課題となった雪質、気温の違いによる強度・代謝特徴について実験を実施する予定である。
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