研究課題/領域番号 |
06680087
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
益子 詔次 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (00015786)
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研究分担者 |
菅原 邦生 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50091947)
田中 秀幸 宇都宮大学, 農学部, 教授 (70091949)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 卵巣摘出 / カルシウム / 運動 / 蛋白質レベル |
研究概要 |
平成7年度は運動と栄養条件の違いが骨強度に及ぼす影響について検討を目的として以下に示すI((1)、(2))、IIの実験を行った。主なる実績の概要は次の通りである。 I.摂食量カルシウム量の違いが成長および骨強度に及ぼす影響について (1)0.03%Ca食と0.3%Ca食の比較;著しく低いCa摂取条件の場合においもて、成長や骨の形態的大きさには明らかな差は見られなかったが、骨重量・骨密度ににおいては有意な差が見られた。したがって骨が体の支持器であることより低Ca食においては骨の質的充実が満たされないことが示唆された。 (2)卵巣摘出ラットを用いての0.2%Ca食と1.0%Ca食の比較:卵巣摘出群は対照群に比べて有意な体重増加を示した。しかし、Ca食含有量の違いによる影響は見られなかった。また大腿骨の骨強度は丸ごとの場合は卵巣摘出群の方が高値を示したが、体重補正すると対照群より有意に低値を示した。 II・摂食量の違いと運動が発育および骨強度の及ぼす影響について 食餌制限を行った場合、運動量、発育、体組成、骨強度への影響を検討した。その結果、食餌制限下の運動は制限の度合いに比例した傾向で骨強度が低い結果を示した。「運動は栄養条件次第で骨強度を高めたり低下させる」という結果を得た。このことは制限食の条件下ので長距離ランナーに骨密度が低いランナーが多いと報じられていることと符合している。 以上の実験結果は栄養条件を視野に入れないで運動によって骨強度を高めようとした場合、発育面のみならず骨強度においても運動を行わない場合より低くなる。運動の有効性とともに栄養条件を無視した場合、むしろ悪影響を及ぼす危険性を指摘するものである。
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