高等部3年生の継続事例児は、現在身長178cm、体重95kgで、肥満傾向児指数140の重度肥満であり、昨年と全く同じ肥満水準である。食事管理もある程度うまくいって、体重を現状に維持することに成功した。しかし、身体活動を増やしたり、食事における摂取カロリーを大幅に制限することができなかったため、目標であった肥満程度の軽減化を達成することはでなかった。本年度も、フ-ブなわとびを継続的に実施し、さらに、教師記録、教師と両親との緻密なコミュニケーションに努めながら、肥満の程度が重度から再重度にならないように昨年同様最善の注意を払った。 中等部2年生の事例児は、平成7年4月身長163cm、体重62kg、平成8年1月164cm、体重59kgで、肥満傾向児指数それぞれ118と111というように、昨年度末同様標準体重を維持することに成功した。しかし、急激な肥満解消のプログラムが食後に吐くといった症状を引き起こしたものと推定できる。昨年の9月以降はこうした症状が大幅に軽減化したと報告されている。昨年末から、情緒障害がより顕著になり、家庭内で祖母や母親に暴力をふるうため、本事例児は今年1月から病院に入院して現在に至っている。家庭での食事管理や運動実施がある程度成功しているため、体重の増加に対してブレーキをかけることができた。吐く行為や情緒障害の重症化に対する肥満解消プログラムの関与の有無程度を解消することは来年以降の重要な課題であると指摘できる。なお本年も、学校場面でフ-プなわとびを本事例児に定着させることができなかった。
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