研究概要 |
学校五日制は、その完全実施に向けて、平成7年4月より月2回の実施がスタートすることとなった。本研究の目的はこのような学校五日制、あるいは週休二日制の実施を想定した時の大きな受け皿となりうる「スポーツ少年団」に着目し、スポーツ少年団活動が学校五日制の受け皿となりうるためのさまざまな条件を検討し、わが国における生涯スポーツの推進に結び付く「スポーツ少年団のあり方」に関する試料を得ようとするものであった。 以下に、本研究の結果の一部を要約する。 1.小学校児童1,192名を対象とした、学校五日制導入に伴う日常生活の変化に関する調査結果として、学校五日制の施行により、土曜日の午前中におけるスポーツ少年団活動への参加希望者は68.3%と肯定的であったが、現実にはほとんど実施されていない状況であった。 2.小学校児童の父母1,771名を対象とした、スポーツ少年団に関する意見や考え方についての調査結果として、父母と指導者とのコミュニケーションの場が少なく、また父母はスポーツ少年団の活動方針や内容について、指導者に全て任せてしまっている傾向がみられた。 3.小学校児童426名を対象とした、スポーツの捉え方、スポーツに対する態度・志向性についての調査結果として、スポーツ少年団への参加が、スポーツにおける志向性に強く影響していることが明らかになった。 生涯スポーツは、少年期の適正なスポーツ活動の実施の延長上に成立するものと考えられる。今後、本研究で得られた結果をもとにして、さらにスポーツ少年団の組織、運営、活動のあり方や団員、親、指導者、学校の教師といったスポーツ少年団に関わる人々を対象に「学校五日制」の受け皿としてのスポーツ少年団のあるべき姿を総合的に研究していこうと考えている。
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