Biofeedbackを利用した心理的トレーニングによってperformanceを向上させるための基礎的研究を進めてきたが今年度が最終年度である。それらの結果を要約すると、平成6年度は (1)実験計画を作り (2)それらの実験に必要な脳波バイオフィードバック(脳波 BFT と記す)装置を一応の水準まで開発し、その解析プログラムも制作した。そして予備実験を繰り返した。 平成7年度は (1)それらの装置を用いて優勢脳波(優勢前額皮上電位)α_2波BFTや心拍BFTを試み、performanceを高める方法を検討した。それらの膨大な資料の整理は、平成8年度まで持ち越された。また、それらのBFTを行うに際して、イメージトレーニングや自律訓練法等、最も効果的な心理トレーニングについても検討を行った。 平成8年度は、これらの資料を整理検討すると共に補足実験を行った。また脳波BFT装置の改良やそれから生産された資料の解析プログラムを製作した。 結果を要約すると (1)前額皮上電位α_2波と一点集中によるパフォーマンスの結果とは相関がみられるが、α_1波、α_3波とはあまり関係がない。 (2)優勢前額皮上電位α_2波は心理的トレーニングを用いた脳波BFTで増大させることができる。 (3)心理的トレーニングを用いたBFTによって優勢脳波α_2波を高めることによって、一点集中のパフォーマンスを高めることができる。 (4)Quality of Life と関連して、自然現象の音である自然音と優勢前額皮上電位α_2波とは関係するが、トラック音や工事音等の生活音とは、速波特にβ_2波、α_3と関係がある。 (5)心拍(HR)BFTでHRを一定の範囲内で制御できる。 (6)不安特性の違いに基づくHR・BFTにはそれぞれに最適な自己暗示がある。 (6)最適な自己暗示を用いたHR・BFTでHRを制御しながら、反応時間を短縮できる。
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