研究課題/領域番号 |
06680122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
室 増男 東邦大学, 医学部, 助教授 (80112887)
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研究分担者 |
岡 和之 東邦大学, 医学部, 講師 (10120247)
大嶋 洋 東邦大学, 医学部, 講師 (30104152)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | ダメ-ジ / 筋損傷 / 修復期間 / DNA / 運動単位 / 筋疲労 / 伸張性収縮 / コンピュータシミュレーション |
研究概要 |
動物で作った筋線維損傷モデルでは、20時間後に筋膜の破壊と部分的細胞死及び筋線維貧食像の両遠位末端に境界膜の形成像が確認された.そして20日目以降にも観察された再生の進行から予測して完全修復は損傷から20日以上要することが判明した.この形態的損傷に類似したのもが下り坂-17°勾配のラットトレッドミル走行運においても惹起されることが確認された.そしてEccentric収縮(EC)運動の強い筋疲労によって局在性筋線維損傷が高い確率で惹起されることも確認された.しかも局在性筋線維損傷は負荷した運動のパターンによって被験筋全体の特定部位に特徴的に出現することも判明した.このEC運動では近位部にA-band disruption及びそのclotting・segmental necrosisが、遠部位に筋線維のA-band破壊が特徴的に観察された.これによって同名筋に部位ごとの活動的機能が存在することが明らかとなった.ヒトの左右下肢筋のECとConcentric収縮を独立に実施しても、ECを負荷した下肢筋に強い筋疲労が早発し局在性筋肉痛を誘発した.このとき筋線維損傷に依存した血中G6PDHやCKの増加も顕著であった.筋電図の解析からも強い筋疲労が生じた時点では低い閾値張力の運動単位が消失して高い閾値張力の運動単位の活動に移行することを確認した.ECによって引き起こされる筋疲労は選択的に高い閾値張力をもった速筋線維を活動させるため、その筋線維に損傷を誘発するとが強く示唆された.この結果を踏まえて神経回路モデルのシミュレーション実験から速筋の選択的活動を検討すると、大脳皮質運動野の出力細胞が直接にαMNsを細かく制御しているのではなく、RC、Ib-IN・Iaの情報をもとに脊髄レベルで制御されている可能性が示唆された.以上の結果からEC運動では、速筋の選択的活動が筋疲労を早めるて、感覚などの末梢性情報がRC、Ib-IN・Ia-INなどにランダム入力されるので、大まかな大脳皮質運動野の出力細胞の調節に脊髄系の制御がミスマッチングする確率を増加させることによって、局在性速筋線維損傷が生じるものと結論された.
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