研究課題/領域番号 |
06680123
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
岩崎 義正 日本女子大学, 家政学部, 教授 (10087067)
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研究分担者 |
池川 繁樹 東京都立短期大学, 健康栄養学科, 助教授 (90147869)
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キーワード | 内臓型肥満 / 体脂肪率 / 水中体重秤量法 / MRI法 / インピーダンス法 / 超音波法 / 内臓脂肪量 / 皮下脂肪厚 |
研究概要 |
目的:健康と関係の深い体脂肪分布状態を探り、特に生活習慣病(成人病)と関連の深い内臓脂肪の実態を把握すると共に、内臓型肥満の簡便なスクリーニングテスト法開発の手掛かりを得ることである。 対象:女子の大学生9名、年齢平均22.3、身長平均161.6、体重平均61.6、BMI平均23.5を被検者とした。身長、体重とも全国平均より僅かに高いが有意な差は認められなかった。 方法:MRI法により、全身を10cm間隔の横断画像を得、各画像を皮下脂肪、内臓脂肪、その他の脂肪、除脂肪に分けてトレースし、それをコンピュータに取り込み、NIHのImageソフトを用い各分画の面積を求めた。これらより各部位および全身の脂肪率・量を求めた。水中体重秤量(UW)法、S社製およびT社製インピーダンス計により全身の体脂肪率・量を計測した。更にS社製インピーダンス脂肪計を用いて、横断面の体表面上にそれぞれ対の電極を前後、左右、斜め右前後方向に置き、各電極間のインピーダンス値、電極間距離を計測、あわせて各電極を置いた部位の皮下脂肪厚を超音波法Bモードで計測した。 結果の要約:1)体脂肪率については、MRI法より求めた値との相関が0.1%水準で水中体重秤量法が最も高く、次いでS社製インピーダンス法、T社製インピーダンス法では5%水準で有意であった。これよりMRI法は体脂肪の計測には有用な方法であるといえる。2)全内臓脂肪率と臍部上5cmレベル左右間の単位長当りのインピーダンス値(Imp/cm)、臍部レベル前後間のImp/cm、臍部下5cmレベル前後および斜め前後方向のImp/cmとは5%水準で有意であった。3)全内臓脂肪量と臍部上5cmおよび臍部下5cmレベルの内臓脂肪断面積と5%水準で有意な相関が認められた。これらの結果から、横断面の内臓脂肪量を推定する式を作った。内臓脂肪量(D)=(A/a)(a-b)C/A、ただし、腹部横断面前-後の全インピーダンス値(A)とその電極間距離(a)、超音波法で求めた横断面の前と後の皮下脂肪厚の合計(b)、MRI法で求めた横断面の皮下と内臓脂肪量の合計(C)とする。推定内臓脂肪量とMRIによる脂肪量との間には臍部上部と臍部で0.1%、臍部下部で1%水準で有意な相関が認められた。
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