| 研究概要 |
本研究は日本のジャンパーの踏み切り動作を力学モデルを用いて明らかにし,ジャンパーの運動の特徴を力学的分析から幾つかの運動モデルに分類した.平成7年度はジャンプ競技中の運動を中心に力学モデルを用いて分析した.
1.身体計測および床反力と高速度カメラを用いた力学モデルによる分析結果
(1)2回の基本的な体力測定と身体の形態測定結果から,ジャンプの選手はパワーに優れた資質が認められた.
(2)典型的な動作様式をもつ選手の模擬的なジャンプ動作中の筋電図解析と力学的な解析によれば,単関節筋の発現電位と関節パワーには指数関数的関係が認められた.相関係数は腰関節で0.75,膝関節で0.95であった.
2.ジャンプ台における分析
動作の記録に高速ビデオカメラ(毎秒240)を使用し,札幌市大倉山でのワールドカップの競技中の踏切動作を力学的に解析した.実際のジャンプ競技では世界の一流選手も分析の対象として成績上位者を分析した結果,運動様式は以下の3種類に分類された.膝関節と腰関節とで独立した関節パワーの発揮形態が新たに加えられた.
(1)腰関節から膝関節に順番にパワーが発揮される.
(2)腰関節と膝関節が同時にパワーを発揮する.
(3)パワー発揮がそれぞれの関節で独立する.
以上3つの運動様式が明らかになった.
今後はジュニア選手を含む選手の技術評価と指導の方向性をこれらの観点から助言できるものと考えられる.
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