6年度は、まず観光リゾート開発に関する全般的な資料収集調査を東京で実施した。 ついで、秋田県庁・県立図書館、岩手県庁、山形県立図書館、長野県庁・県立図書館、富山県庁で「リゾート法」の重点整備地区における観光開発に関する資料を収集し、それらに比較検討を加えた。 ミクロスケールでは、スキー場開発に関するフィールドワークを重点的に実施し、岩手県・秋田県・長野県・富山県・山形県で現地調査を行い、単なるスキー場のみの利用にとどまらない、雪国における積雪期の観光開発の方向性について考察した。 観光リゾート開発に関する資料収集調査および現地調査の結果として、近年のバブル経済の崩壊による影響が極めて大きいことが明らかになった。いわゆる「リゾート法」の重点整備地区における観光開発計画は、各県ともに遅々として進んでおらず、たとえば秋田県の田沢湖高原のように、環境問題の側面からも計画の見直しに着手しているものもかなりみられる。 地方自治体による小規模な施設づくりは散見するものの、大手資本の参入する第三セクター方式を導入した大規模な観光リゾート開発は、わずかに宮崎県で実現したのみで、ほとんどの計画は中断や延期を余儀なくさせられている。 このような新たな展開について、次年度も考察を進めていきたい。
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