研究概要 |
本研究の研究期間は平成6年度の1年間である。本研究の課題を達成するために,以下の調査・研究を行ない,まとめを行なっている。なお研究成果の一部は学会誌等に発表されている。 まず,研究代表者の内山は,大都市周辺地域の土地利用構造として,関東地方の農業的土地利用と農業生産に基づく地域的特徴を,『農業センサス』や『生産農業所得統計』を資料にして,パーソナルコンピュータを使用してデータベース化をするとともに,修正ウィーバー法を用いた統計的手法によりまとめをしている。 また,内山は,都市的地域の周辺地域の土地利用として,長野県小布施町において調査・研究を行なっている。すなわち,2,500分の1の大縮尺の地図を用いて,小布施町の代表的果樹生産集落の詳細な土地利用図を作成し,土地利用図からみた果樹生産地域の変遷についてをまとめている。この小布施町の研究結果については,日本国際地図学会の学会機関誌「地図」にすでに発表している。 研究分担者の一人の正井は,大都市地域の土地利用構造としての東京の都市発達過程に関して,封建時代から明治・大正・昭和期を経て現在に至るまでを,時代的に区分して,それぞれの時期の都市構造の特徴についてまとめている。また関東地方の都市周落の分布形態についても,時代的に区分してまとめており,すでに論文として発表している。 さらに,研究分担者の鈴木は,観光地化が著るしい高冷地農村地域の土地利用構造として,長野県軽井沢町塩沢地区において調査・研究を行ない,2,500分の1の大縮尺地図を用いて土地利用図を作成している。この土地利用図をもとに,パーソナルコンピュータを用いて,統計的処理の可能なデータベース化と,図化をしており,土地利用図からみた観光と農業の土地利用の共存関係をまとめている。
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