研究概要 |
本年度も、直接的な気候環境変化の把握例としては、長野、須坂、中野、篠ノ井、松代、小布施、豊野につて基礎的な観測を実施し、解析した。特に須坂と中野について集中的に分布観測を実施した。すでに確立した移動観測システムを利用した。結果の解釈として都市化の程度を表わす指標(人口、DID人口、市街地面積、天空比など)を考察した。さらに、観測点を中心にして半径50m,175m,250mの円内の土地被覆(土地利用)を求め、重回帰分析による気温のモデル化を考察した。気候環境変化の把握としては、アメダス観測点の長野市と郊外地点として信州新町と菅平を選び、差の頻度分布を1°C間隔で求めた。その結果、都市化による気候環境変化が近年ますます進行していることが明らかになった。ランドサットデータから得られる熱映像や緑被率などは経年的な環境変化の把握に有効であることが判明した。 冬季オリンピック開催が決定している長野盆地地域を例にして、大規模人間活動による気候環境の変動に関する研究の方向性を示すことができた。大規模人間活動のより一般的な用語として都市化を定義し都市化の進展に伴う気候環境の変化プロセスを考察した。
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