欧州古気候データベースに対応するように、日記類や災異誌などを収集した。とくに香川県立図書館において多度津藩日記から、また京都府立総合資料館において随心院記録御番所日記から抽出した記録は、従来国内のデータベースで空白であった地域・期間を補うものである。 収集した記録は整理の後、従来からのデータベースに加え、欧州古気候データベースに準じたデータベースを作成した。このコード変換システムについて、新しい資料の蓄積に応じて、コードの追加などの修正を行った。 作成を継続しているデータベースを利用して、近世の「小氷期」について気候復元を試み、その結果を2編1994年8月にチェコのブルノにおいて研究発表し、出版した(裏面のリスト参照)、その機会に、欧州古気候データベースの間で、データを調整した。また11月に北京においても研究発表した。 なお、今年度に史料の収集を終える予定であったが、史料の保存状況が悪くて補修を終えてから閲覧に供されるものなどがあった。また新たな史料も出てきたので、それらの未収集史料を、平成7年度においても継続して、収集する。また、中性温暖期、小氷期おける気候変動に関する論文を世界各地から収集し、比較検討を進めている。
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