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1995 年度 実績報告書

完新世後半における泥炭の堆積速度の増加期とそれをもたらす要因--西日本の山地を例として--

研究課題

研究課題/領域番号 06680162
研究機関奈良女子大学

研究代表者

相馬 秀廣  奈良女子大学, 文学部, 教授 (90196999)

キーワード泥炭地 / 泥炭層の堆積速度 / 完新世後半 / 多雪山地 / 中国山地 / 沼沢化 / 無機物の混入率
研究概要

1.泥炭層の堆積速度
八幡湿原では,黒色有機質粘土層の基底(120cm)付近の深さ100-110cmから8810±70年BP,そして,植物遺体の分解度がそれより上部でやや低下する深さ50-60cmから5800±70年BPの^<14>C年代測定値がそれぞれ得られた.後者の年代値は,当初予想していた3〜4000年前に比べて,かなり古いものであった.現在の地表面が削剥を受けていないものとすると,堆積速度は,約9000年前から約6000年前までが0.17mm/yr、約6000前以降現在までが0.95mm/yrとなる.今回の年代値では,大まかには,完新世後半は,前半に比べて,泥炭層の堆積速度が遅いことになる.しかし,この点に関しては,現在の地表面が人為的的な影響も含めて削剥されている可能性もあることから,今後さらに検討を要する.
2.泥炭地周辺の緩斜面
尾瀬ヶ原に代表される中部地方以北の多雪山地の泥炭地では,完新世後半の沼沢化に伴い,泥炭地が山地側の緩斜面へ拡大していることが多い.そこで,泥炭地が拡大中,あるいは,拡大できるような緩斜面が山地斜面側縁辺に存在するかなどについて,沼原湿原,八幡湿原,細池湿原などにおいて検討した.その結果,、前二者では耕地化などの人為的な改変を受けており,泥炭地の拡大の有無については明確することができなかったものの,細池湿原では緩斜面にケルミ-シュレンケ複合体状の微地形が存在し,完新世後半における拡大が堆積された.
3.火山灰,積雪量などについての調査も実施した.

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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