研究課題/領域番号 |
06680174
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
熊野 善介 静岡大学, 教育学部, 助教授 (90252155)
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研究分担者 |
長洲 南海男 筑波大学, 教育学系, 教授 (90018044)
久田 隆基 静岡大学, 教育学部, 教授 (40022214)
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キーワード | STS(科学・技術・社会) / 構成主義 / モジュール / 教師教育論 / 授業論 / 授業分析 / 科学観 / 科学教育基準 |
研究概要 |
「諸外国におけるSTSに関る科学教育の研究」 アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアについては、具体的内容入手し、かなりの所までまとめることができた.とくに今回の報告書には1995年12月に出された「全米科学教育基準」の最終版について、かなり詳しく分析を進めることができた.オーストラリア・カナダについては今後も研究を進める必要がある.これらの分析からSTSや構成主義的学習観が随所に盛り込まれ、多くの科学教育の改定や改革が最近行われていることが明らかになった. 「日本人の科学観の特性」 構成主義に基づいたSTSを行っていくいために、日本という国の特性を諸外国との比較において明確にしていく必要がある.アイオワ大学理科教育センターで開発された「世界観調査項目」を日本語に訳し、日本の人々にわかりやすく言葉に書き換え、いくつかの項目を削除して「世界観調査項目(日本版)」を作成した.これを約2000人の高校生から成人を対象に行い、その特性を分析した.調査項目には、科学の本質や科学の方法論、科学・技術・社会の相互関係に関わる問題が含まれている.この分析の結果、我が国は、いわゆる科学の本質において、客観主義や帰納主義の方が極めて多数であることが判明した. 「理科の実践モデルの作成:理科教師への働きかけ・研究協力依頼・研修会・STSのモデル作成」 研究協力者(幼稚園レベルから高等学校レベルまでの教諭)が約12名集まり、平成6・7年度で、合計4回の研修会が開かれた.構成主義に基づいたSTSについて、アメリカと日本の事例を基に解説・討議された.また、研修会の結果として、静岡県内の高等学校や中学校の化学や選択理科の授業でモジュール「茶」やモジュール「薬とからだ」が実践され分析された.結論としては構成主義に基づいたSTSは十分開発可能であり、今後の日本の理科教育のモデルとなり得ることが判明した。
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