研究課題/領域番号 |
06680179
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
後藤 信行 長崎大学, 教養部, 教授 (20100894)
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研究分担者 |
古賀 雅夫 長崎大学, 教養部, 教授 (80108357)
福山 豊 長崎大学, 教育学部, 教授 (00039421)
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キーワード | 演示実験 / 物理教育 / 一般物理学 / 帰納的教育 |
研究概要 |
長崎大学では、平成6年度から従来の教養過程を廃止し、4年或は6年一貫教育に移行した。それに伴い、全学の教官による一般教育、即ち「全学教育」が施行されるに至った。このような状況のもとで、学年や専門も異なり、予備知識の程度も異なる学生を対象とした物理教育へと転換が迫られた。我々は本研究において、一般教育としての全学生に共通な物理とは何か、またそれを全学教育というシステムの中で多様な学生の集団に如何に教育するかを模索し、講義の中に演示実験と多くの譬話を取入れることにより、高校で物理を履修してない予備知識の少ない学生にも、より高度な内容を、より易しく教えるための教材の開発を行い講義録を作成した。講義録の詳細と講義に対する学生の反応については、別途、冊子として報告するが、従来の積み重ね式の演繹的な講義から、発見的かつ帰納的な講義形態に切り換えることにより、古典力学から熱力学、量子論、相対論、宇宙論、素粒子論までを効率良く理解させることができた。また、講義のなかに演示実験をとりいれることにより、学生の講義への関心を高めることができた。特に直観的理解が困難な回転運動に関して、コリオリーの力などかなり高度な現象についての理解が可能となった。講義についてのレポートを毎回学生に書かせることにより、単に知識のみでなく、学生に考えさせ、発見の喜びを味あわせることができた。そして、これは学生が大学入学以前にはほとんど経験していない、物理の内容を論理的に文章で表現することの修得に役立ったと思われる。
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