小学校から大学までの算数・数学教育における電卓・グラフ電卓の利用のあり方について、その理念や授業実践を、研究代表者・分担者・協力者が小論文にまとめた。その結果、グラフ電卓の利用は教材や指導法の開発だけでなく、数学教育の目的に関する従来のパラダイムを転換させるものであることが明らかになった。また、進学率の高い学校(国立大付属や私立)でもそうでない学校(定時制や分校)でも状況に応じて利用できることがわかった。 中学校1年から高等学校3年までの数学科学習指導案を53種類開発した。その内容は、正比例、反比例、1次関数、2次方程式、連立方程式、2次関数、課題学習、三角関数、指数関数、対数関数、分数関数、微分係数、定積分、微分法、等式と不等式、媒介変数、統計処理である。 カシオ、シャープ、TIの3メーカーのグラフ電卓について、基本操作表及び入試問題の解法における操作表を作成した。 アメリカ、オーストラリアの数学教育の研究者や教師と、論文、指導実践、評価、試験のあり方について、情報交換を行った。 アメリカやイギリスの教科書における電卓・グラフ電卓の利用を調べた。 アメリカやオーストラリアや国際バカロレアなどの試験におけるグラフ電卓利用を調べた。 以上の成果を、中間報告書「電卓・グラフ電卓を利用した算数・数学教育-小学校から大学まで-」(1955年、218ページ)、研究成果報告書「グラフ電卓を利用した数学科指導法の開発」(1996年、184ページ)としてまとめた。
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