本研究の目的は、日本人とドイツ人のもつ「自然」および「環境」に対する心象を連想法によって明らかにすること。その結果をもとに両者を比較検討し、ドイツ人にあり日本人に欠落している観念を抽出すること。さらに、両者の社会環境、学習内容の差異と観念の関係を考察し、今後のわが国の環境教育に対する精神的な指針を得ることであった。 具体的には、「自然」と「環境」の2語に対する連想語調査をわが国で行い、すでにまとめられているドイツにおける調査結果との比較分析を行うことであった。その結果、「自然」に対する連想語は、総じて肯定的なものが多いのに対し、「環境」の連想語には、汚染、破壊など否定的なことばが見られた。 今後の課題としては、我が国における調査を世代別、男女別など様々な母集団を設定して行い、1970年代以降の環境教育の効果を明らかにする必要がある。
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