視覚障害者のオープンスペースにおける誘導方法の検討 日本の多くの公園や植物園の観察路は、やや離れた位置から鑑賞するように設計されており、直接植物に触れたり香りを嗅ぐことが出来きない。誘導路はワイルド志向をかなえるために段差や縁石が配置され、身体的弱者には安全でないのが実態であった。各種施設の調査を基に、当園の園路が視覚障害者にも安全に通行出来るような計画を検討した。具体的には段差を無くする、手すりを作る、点字誘導板の設置、音による誘導設備の設置及び弱視者にも判別可能な彩色した大形板の設置等を観察路に沿って計画設計し、図面を作成した。 視覚を除く感覚器官を活用した植物観察教育プログラムの作成 指先の触覚により植物の特徴を捕えて区別する時、凹凸や大きさや輪郭の形状等が判別可能な項目となる。本年は樹木の幹の表皮の特徴と葉の葉脈及び輪郭から屋外での観察方法を検討して、園内で幹と葉が観察できるソメイヨシノやニッケイ等20種について、図鑑となりうるマニアルを試作した。臭覚を植物観察に取り入れには、ハ-ブなど香りと臭いで判別出来るものについては、触覚以上に有効な手段となる。聴覚は落葉を踏みしめる時の音や風に吹かれた時など、イチョウとケヤキの落葉のように判別できるほどの違いを示す種もある。また、春の芽吹き時の幹を移動する樹液を聴診器で観察す方法により自然における季節に変化を知り、自然へ接近の一方法として検討した。図鑑マニアルの対象とした植物はソメイヨシノ、ニッケイ、イチョウ、ケヤキ、クスノキ、ハナミズキ、サルスベリ、ミツマタ、シラカンバ、ニシキギ、ユリノキ、タイサンボウク、トチノキ、アカマツ、メタセコイア、バナナ、ビワ、カキ、ウイキョウ、ハッカ以上の20種である。
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