研究概要 |
カテゴリーを用いた手法により,生徒間のコミュニケーション過程及び学習行動を分析し,学習行動の遷移過程と解明行動とを関連づけて解析してきた。 そのために,本研究の第一年次である平成6年度は,次のような経過で研究を進めた。 (1) 分析カテゴリーの設定:学習活動を学習者のみの相互作用としてととらえるカテゴリーを設定し,その検討をした。理科の学習を対象とすることから,目的や仮説を含む実験の課題意識及びその下位概念として実験の操作や実験の内容に関する問答などの学習行動を思考の結果として取り扱うという,分析カテゴリーの試案を作成した。 (2) 相互学習場面としての実験場面でのグループディスカッションのモデルの設定:上記カテゴリーの分類に基づき,学習行動の骨格を検討し,学習行動と学習者相互の反応・応答関係から学習者,とりわけグループのリーダーを中心とした意思決定の構造モデルの枠組みを作成した。 (3) 実験場面の録画及びプロトコールの作成:上記モデル設定のために,附属中学校において理科の実験場面を収録を行った。その授業記録に基づき,言語及び非言語行動のプロトコールを作成した。 (4) 平成7年度の新たな課題:平成6年度は4人で行う観察・実験を中心に扱ったが,2人や3人による観察・実験では,4人のときと異なる行動が見られた。そこで,同一教材を用いて、グループの構成の違いによる比較も検討する必要がある。
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