研究概要 |
1.ハイパーメディアを利用した調べ学習について検討し,学習者とハイパーメディア教材とのインタラクションを9種類に分類した。これらインタラクションをシステムの中に実現するためには,カテゴリという新しいリンク構造が必要であることを明らかにした。また具体的なハイパーメディア教材を作成し,小学校社会科歴史の授業実践を行った。これをもとに子どもの体験や直感が子どもの探索意図にどのように作用しているかを分析することができ,主体的学習のための教材開発の在り方を明らかにすることができた。 2.子どもは探索活動において,事物間の関係,述語を中心とした格関係,文の連接関係,で表されるような関係を利用して探索意図を決めている。この意図をハイパーメディア学習支援システムが柔軟に受け入れるために,システムのコントローラとして知識処理による動的リンク法を提案した すなわち,情報と情報とのリンクをリンク元(ボタン等)から分離して別データとして蓄積し,このデータを用いて情報間を移動する方式とした。このデータには上記の諸関係を表わす構造を与えた。これによりデータの変更がリンクの変更と等価となり,子どもあるいはシステムが学習中に動的にリンク状態を変更することが可能になった。今後,教師が効率的に教材をオーサリングすることを可能にするため,コントローラのツール化を行う予定である。 3.ビデオ信号圧縮技術によるディスクアレイへのビデオ映像の蓄積を行い,ビデオ映像の検索・抽出方式を検討した。ビデオ映像を単位時間ごとにカテゴリ化し,カテゴリによって検索する方式と,ビデオ映像の各シーンをスクリプト化し意味的に検索する方式が,ハイパーメディア教材開発に有効であると考え,これによるビデオ映像データベースのプロトタイプを開発している。
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