研究概要 |
本研究では,パソコンを教材提示システムとして考え,マルチメディアパソコンを利用して教授したい内容のキーワードあるいは命題を入力することによって必要な情報が提示され,学習させるためのシステムの開発を行った。具体的には以下の通りである。 1)中学校数学に関して,それを学習するときに必要な概念・技能等を学習者の問題解決過程の調査及び,ベテランの教師による効果的に学習させるプロセスについて検討した。 その結果,提示した問題を編集することを子どもたちに行わせると同時に,問題解決に必要な事項を同時に提示し,その事項を参照しながら問題解決を行わせることができるシステムが必要であることがわかった。 2)概念構造の決定を教材に対する論理的概念に加えて、授業設計者の経験にもとずく判断、あるいは、複数の授業設計者間の合意などを反映したシステムを開発のため、概念構造の決定にシステム工学の分野で開発されたISM法とグラフ理論を利用した方式を採用した。 3)パソコンの画面で提示された問題を子どもたちが削除・移動・追加などの編集をしたり,必要なヒントなどを提示し,それを理解したのちに,問題の編集を行うなどの操作を行わせることによって学習が効果的に行われるとの仮説をたて,その検証のためにパソコンワープロを用いて編集,ヒントの参照を行わせる実践を行った結果,先の仮説が正しいと思われた。 4)上述のシステムを開発するためのプロトタイプとして選択した文章・図形を提示し,それを編集したり,教師があらかじめその問題に対して必要であると思われる事項(ヒント)を選択して同一画面で参照することができるシステムを作成した。
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