1.動画の理解度調査用アニメーション番組制作については、シナリオ作成と併行して、基礎材料となるアニメーションの制作に取り掛かっており、原型がほぼ完成した。 本年度は、研究の準備段階であるため、使用機器やアニメーション番組制作用ソフトウェアの整備、シナリオの検討にかなりの時間を費やしたが、次年度は、幼児を対象に、制作した番組を基にして「時間の流れ」を読み取る能力について調査する。 2.「静止画像を用いた理解度調査」のための創作の絵本データベース化に関しては、提示方法の相違による「理解度」の差を調査を、次年度に「動画の理解度調査」と併せて実施する予定である。創作絵本のデータベース化に関しては、画像取り込み方法等に非効率的な面があり、引き続き、データベース化を進めていきたい。 3.無声映画時代のアニメーション作品の調査を通して、時制の表し方に法則性のある表現法が使われていることや、大学生を対象にして「年少時におけるテレビ理解について」調査したところでは、映像と音声の使用方法の違い(分離したり・統合したり)によっては、テレビ理解を混乱させるという結果が明確に表れた。このことからも、単に映像のみで時制を表現するのではなく、音声の効果的な活用によって、理解促進につながるということが言える。(6年10月:教育工学会などで発表) 4.コンピュータによるビデオデータの取り扱いに関する規格の統合化と、対応ソフトウェアの開発などが急速に進展しつつあるという現状があり、将来的展望を考慮した映像番組(資料)とする必要もあろう。
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