最近マルチメディアに関する関心が高まってきた。しかし、マルチメディア教材は、学習意欲を高めることが期待できるが、授業を担当している教師が作成する事は、時間的にも著作権の面からも非常に困難である。本研究は、物理に関する映像情報、音声情報、図形情報及び文字情報収集して素材データベースを構築し、素材データベースから素材を自由に抽出し加工しマルチメディア教材を作成できるシステムを作成する事が目的である。 収集した素材は「マルチ学習カード」を利用した。そのため次のことが簡単にできる。 1)多様な素材の記録が可能である。 2)素材の抽出・加工が簡単で、教材化が容易である。 3)素材を加工しなくても、画面を予め指示して提示ができる。 授業のなかで、物理学を発展させた人々のイラスト画やその学者の使用した器具、業績を提示し、高校2年生と高等看護学校学生の感想を調査した。授業の中で学者のプロフィールに接することに好意的な反応を示した。粗末な器具を用いて偉大な発見をしたことに感激した生徒も多くいた。日常目に触れる器具類の分解映像も、物理の成果を説明するのに効果がある。 素材データベースは、CD-ROMやMOに記録して流通できる。また、インターネット等の通信手段を用いて検索する事も可能である。今後素材の数を増やし多様な教材の作成が可能となるようにしたい。
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