研究概要 |
「特別教育活動」は、昭和24年に、中,高校の教育課程を構成するひとつの領域として制度化された。このことによって教科外活動の教育課程化が初めて実現をみたわけであり、画期的な意味を持つできごとであった。 「自由研究」の成立とその廃止、「特別教育活動」の成立という一連のできごとの経緯を詳細に検討することによって、次のようなことが明らかにされた。 (1)「自由研究」は学習の個別化を意図していた。一方、「特別教育活動」では、市民的、公民的資質の教育ということに、主眼が置かれていた。 (2)「特別教育活動」成立を要請した現実的な課題として、ホームルームや生徒会の指導の分野を教育課程の中にきちんと位置づけるということがあった。 (3)上掲(2)のことが、「特別教育活動」・「教科以外の活動」の成立について小学校が中、高校より2年おくれたこと、「自由研究」とは対照的に、中、高校をベースにした進展をみたことの原因になっている。 (4)「特別教育活動」・「教科以外の活動」という名称についてはCIEの担当官の強力な示唆があった。 また、千葉県の「北条プラン」における「生活課程」(後に「特別教育活動」)の成立と展開の過程を検討することによって、小学校における教科外活動の教育課程化が、(1)教科の生活化、(2)生活を主題にしたコア、(3)「生活課程」、「問題解決課程、「基礎課程」という三層構造という筋をたどることを明らかにした。
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