平成六年度は、文化的遺産である「新潟県上越市(旧越後高田)の雁木町並み」の基礎調査を以下の観点から行ない、写真及び8ミリビデオ撮影により資料を収集した。 ・異なる天候条件での雁木空間の様相 ・雁木を構成する各部分と素材の状況 ・付属物(看板・サイン・街灯等)の実態 ・子ども達が歩く空間としての雁木通り これらの資料から、雁木を構成する要素の共通性と多様性が、統一感のある、しかも変化に富んだ町並みを形成することが理解できた。また、雁木の大きさや様相は子ども達の身体スケールと深くかかわったものであり、歩行という身体的活動とのかかわりで認知されるという結果を得ることができた。さらに、降雪時における雁木通りの意味は、現在でも公共空間としての意味が強く存在し、生活とのかかわりにおいて環境教育への重要なアプローチとなることがわかる。 このような基礎調査よる資料をもとに、実際の授業で視覚教材として使えるスライド・ビデオ資料を作成することができ、来年度の授業実践も可能となった。
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