新潟県上越市高田の雁木町並みについて、平成六年度に収集した写真及び8ミリビデオ撮影による資料をもとに、本年度は、次の点について分析・検討した。 1.雁木通りの構成部分 2.雁木通りの附属部分 3.子どもの目から見る雁木通りの空間 そして、雁木通りについての過去の調査研究資料を比較することによって、雁木通りの減少・消滅の状況を把握し、住民の意識調査の資料を含む雁木についての資料を整理し、まとめた。 これらの資料から、一つ一つの雁木を構成する共通の要素が、連続することによって独特な町並みを形成し、それは自然と深くかかわるだけでなく、地域住民の意識と密接にかかわるものであることが理解できた。従って、美術教育の中で、環境について学ぶことは、その地域の風土や景観や風景といったものに目を向けることであり、そこから環境造形学習の発展が望まれるものである。 さらに共有空間としての雁木町並みのもつ意義が、美術教育においてばかりでなく、地域・環境学習でも重要なものであることが、まとめられた。
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