3年生から6年生児童を対象に、11時間のリレー学習の効果を技術の伸びと認識の変容の面から検討した。リレータイムの伸びは、高学年ほど小さかったが、運動課題である「速さつなぎ」の指標としての利得タイム(リレーメンバーの短距離走タイムの合計とリレータイムの差)でみた学習効果は高学年ほど大きく、リレータイムを疾走能力の改善によるのではなくバトンの受け渡し技術の向上によって伸ばしていることが認められた。また、いずれの学年もリレーに対するイメージを学習によって高めることができたが、中学年児童ではリレーをゲームとして楽しむ傾向が認められたのに対し、高学年児童ではリレーの技術特性に触れてイメージを高めていることが認められた。すなわち、「速さつなぎ」を課題とするリレーの学習は、4年生以降で可能であるが、適時期は6年生と考えられた。 小学校2・3・4年生の各3学級を対象に、「的あてゲーム」(以下、分離型)、「ラグハンドボール」(以下、過渡的相乱型)、「サッカー」(以下、相乱型)を12時間学習させ、ゲーム様式の相違による学習成果の差の学年差を検討した。分離型では、いずれの学年も「シュートのためのコンビネーション」の課題の解決にまで至っていたが、相乱型では2年生において、単元を通してパスの課題の解決されないことが子どもたちの発見内容の変化から伺われた。また、2年生では、ゲーム様式の相違による攻撃完了率の伸び率には差がみられなかったが、関り率は分離型が高値を示した。一方、4年生では、分離型よりも過渡的相乱型や相乱型が攻撃完了率の伸びは高値を示すようになり、関わり率には相違はみられなくなった。さらに態度得点では、2年生では分離型で、4年生では相乱型、もしくは過渡的相乱型で高くなる傾向が認められた。 以上のことから、2年生では分離型の学習効果が最も高く、4年生では過渡的相乱型、もしくは、相乱型の方が、高いと考えられた。また、4年生の分離型では学習に飽和がみられた。
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