研究課題/領域番号 |
06680274
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研究機関 | 鈴鹿工業高等専門学校 |
研究代表者 |
江利川 春雄 鈴鹿工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (10259880)
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研究分担者 |
大石 倫子 鈴鹿工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (00270273)
林 浩士 鈴鹿工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (00238122)
中井 洋生 鈴鹿工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (50155652)
出口 芳孝 鈴鹿工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (40180103)
松林 嘉煕 鈴鹿工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (70043312)
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キーワード | 早期英語教育 / 英語教育史 / 高等小学校 / 教科書 / 英語教育 |
研究概要 |
研究計画の初年度として、主として明治期を中心に、小学校用英語教科書および英語教育の実施状況について重点的に調査研究した。その結果、文部省検定済の小学校用英語教科書は明治19年より同39年までに66種類発行されており、さらに明治41年には文部省著作の『小学校用文部省英語読本』(全3巻)が発行された。これは後に3次にわたって改訂されつつ昭和21年度まで使用された。これらの内容を検討した結果、英習字、綴字、会話、読解、英文法、英作文等の教材の概要が判明した。以上のことから、小学校用の英語教材は明治中期以降から約60年間にわたる豊富な経験を体現しつつ、新制中学校の英語教科書に近い形に進化を遂げてきたことが明らかとなった。 次に、英語教育の実施状況を具体的に把握するために、まず三重県を事例に調査した。その結果、明治10年代末から30年代頃までは過半数の公立高等小学校で加設科目として英語を教えていた。しかし、明治40年代から大正10年前後までは実施校数が減少し、その後は再び活性化したが、太平洋戦争期になり英語が「敵国語」となると再度大幅に縮減された。目的論的にも一貫性はみられず、頻繁に英語科廃止論にさらされていた。高等小学校においては、加設科目である英語科は時代の教育思潮や教育政策の変動を鋭敏に反映する特異な教科であったことが窺われる。したがって、今日の我が国の公立小学校に英語教育を導入すべきか否かの問題も、かかる歴史的経験を踏まえて、確固たる教育目的と長期的な展望を見通した上での慎重な検討が望まれるといえよう。しかし、結論に至るには引き続き大正期、昭和期を含めたより大規模な調査研究が必要であり、現在その作業を継続中である。なお、現時点での知見にかかわる中間報告を近く公表する計画である。
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