当初に計画した研究目的・計画・方法に大きな変更はなく、予定通り進行している。外国人日本語学習者の非言語行動における変化を縦断的に観察するために、平成6年5月・平成6年10月・平成7年2月の3回にわたって、10カ国28人の日本語学習者の言語・非言語の様子を録画してきた。録画の時点での言語学習レベルは、それぞれ初級の終わり、中級の半ば、上級の半ばにあたる。 各回の録画は、日本語で話す相手を同性・同年代で初対面の日本人とし、テーブル越しに腰掛け、対面して行う会話を記録した。同時に、総合的な言語習得の状況を調べる資料として、400字〜800字程度の作文も毎回書いてもらっている。 資料の整備としては、録画資料をまず音声面において書き起こし、それに非言語行動の記述を付け加えているところである。記述・分析の対象とする非言語行動は、頭の振り、視線、手の動きに限定した。今後その資料をもとに、来年度10月に予定されている第4回目の録画を含め、定量的な分析を行っていくことにしている。 なお、第1回目においては、学習者の母語における会話や日本人同士の会話も録画した。これは、学習者の日本語における非言語行動の変化と比較対照する資料とするためであり、現在、書き起こし、翻訳等が進められている。 平成7年度の5月に、日本語教育学会の春季大会において、被験者をインドネシア人4名にしぼって、その非言語面の変化について発表することになっている。
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