平成6年度に行った研究による成果 1.初級レベルの連語の整理 「名詞+動詞」からなる連語を中心に、5種類の初級日本語教科書と辞書などから、日常よく使用される連語を収集し、項目別に分類した。そして、日本語学習者がそれらを習得しやすいように整理し、教材を作成した。学習者の誤用をなくすために、英語、中国語、韓国語、タイ語のネイティブスピーカーと対面調査し、他言語との連語上の相違を示して、その結果を教材作成に組み入れた。また、言語で説明しにくいものには、随時専門家によるイラストを加えることによりビジュアルな面からも学習者の便宜を図った。 2.連語をなす語と語の共起関係を明らかにする コンピューターを用いて、新聞や国語辞書から連語を収集し、そのうち、「名詞+(を)+する」からなる初級レベルの連語で、「する」が他の動詞と交換可能なものを選び出した。そのデータを利用して以下の2点について考察した。 (1)どのような性質の名詞がどのような性質の動詞と共起するのかを明らかにしてきた。 (2)同じ名詞が「する」と共起する場合とほかの動詞と共起する場合での、連語性の程度を調べ、最終的には、結合の程度が何に由来しているのかを明らかにしつつある。
|