研究課題/領域番号 |
06680299
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮本 衛市 北海道大学, 工学部, 教授 (00001173)
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研究分担者 |
三谷 和史 小樽商科大学, 社会情報学科, 助教授 (70190676)
渡辺 慎哉 北海道大学, 工学部, 助手 (70210903)
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キーワード | 並行オブジェクト / オブジェクトの振舞い / 分散システム / 連携動作 / プロトタイピングモデル / オブジェクト設計 / オブジェクト間通信 / プロトタイピング言語 |
研究概要 |
今年度は以下に挙げるように、主として分散ソフトウェアシステムのモデル化に関する研究を行った。 並行オブジェクトの連携動作の記述をもとに、並行オブジェクトシステムの設計を行っていくための方略を提案した。これまでのOMTなどに代表されるオブジェクト指向技法は、まずオブジェクトの確立とそれらの関連を明らかにしようとする方法論である。これに対し、われわれは連携動作で実現したい機能をまず構造的に明らかにしていき、次いで原始的な連携動作を並行オブジェクトで実現することを考える。できるだけこれまでの構造化分析・設計法に基づいて連携動作の分析を行い、オブジェクト間の並行性は詳細設計の段階に後送りしようとするものである。 プロトタイピングにおいては、実行可能な計算モデルとしてオブジェクト指向モデルが適しているが、オブジェクト群に並行性があるときには、それらオブジェクト間での結合はできるだけ緩い方が望ましい。このような観点から、Lindaのタプル通信を拡張し、タプルの照合および値の伝搬のための規則を可変としたGenericな空間によって相互作用を行う並行計算モデルを提案した。このモデルにより、既存の通信方式のみならず、情報の特殊化、双方向への情報の伝搬などの有用な相互作用形態が統一的に実現可能となった。 プロトタイピングでは、対象とするシステムを当初は小さなシステムとして、その後段階的に大きくしていくことは、システムの全容を適切に把握しながら分析していく上で、欠かせない手法である。そのためには、分析していく過程でシステムが変容していくことがないように、システムの一貫性が保証されていなければならない。われわれは準同型変換に基づき問題を抽象化したプラニングの方法論を開発した。
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