研究概要 |
現在,多くのマルチメディア情報が氾濫しており,それらの中から重要,あるいは,適切な情報を抽出し,その情報を新しい情報として加工し,さらに,それを広く提供する環境の実現が重要な課題となっている.本研究では,データベースから抽出された複数の連続メディア・データに対する編集・統合を行い,新しいメディアを生成する機能を実現するシステムの設計を行った.このシステムにおいては,動画像,および,音声などの連続メディア情報を高速に処理可能であること,および,新しいメディアの出現に柔軟に対応可能であることが重要となる.ここでは,複数の連続メディア情報の編集・統合によるマルチメディア・データ生成処理を関数型計算モデルに基づく並列処理により実現する方式を示した.ストリーム指向型並列処理方式は,ストリームを引数とする関数群から構成される式を並列に処理する方式である.動画像,音声などの連続メディアは,ストリーム化に適している.本方式では,連続メディアをストリームとして表現し,それらを対象として関数群により,マルチメディア・データを並列的に合成する操作をストリーム指向型並列処理により実現する.実際に,分散システム上に実装したプロトタイプ・システムを用いて,マルチメディア・データ生成の並列処理実験を行い,本方式の有効性を明らかにした.
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