研究課題/領域番号 |
06680311
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
富田 悦次 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40016598)
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研究分担者 |
若月 光夫 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (30251705)
垂井 淳 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (00260539)
高橋 治久 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (90135418)
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キーワード | 組合せ最適化 / 最大クリーク / 深さ優先探索 / 分枝限定法 / 近似彩色 / ボルツマンマシン / 確立アルゴリズム / RNA 2次構造予測 |
研究概要 |
組合せ最適化問題のうちで、先ず、基本的で主要な問題の一つである、グラフ中の最大クリークを厳密に求める問題に対し、単純で高効率なアルゴリズムを確立した。ここでは、小さいクリークから出発してより大きいクリークを遂次求めてゆく手順を、深さ優先探索により、最大であると確認できるもの1個が見い出されるまで続けてゆくという分枝限定法を基本としている。そこでは、いかにして分枝の限定を強力に働かせて解の探索領域を小さくするかが高効率化の重要な指標となるが、本研究においては、巧妙な遂次近似彩色-整列法の考案適用により、探索の各段階に於て見い出し得る最大クリークの上界を得て分枝制限を効果的に実現し、かつ総実行時間も小さく抑えることに成功した。本アルゴリズムを実働化した結果として、主要学術論文誌上に発表されている他のいくつかの代表的アルゴリズムの全てに対し、広い範囲の多くのランダムグラフについて、最も高速であることを確認した。 更に本手法を、重み付きグラフに対する重み最大クリーク抽出問題に発展させて、新しいアルゴリズムも得、基本的手法に対する有効性を確認した。 次に、ボルツマンマシンの概念を基にした近似最大クリーク抽出アルゴリズムを基礎として、近似彩色の新しい確立アルゴリズムを開発し、効率良くかなり高い精度の彩色が行えることを実験的に確認した。 更に、組合せ最適化問題の具体例として、ボルツマンマシンを用いたRNAの2次構造予測問題を取り上げ、ヘアピンループを考慮に入れた基本的な構造予測が可能であることを確認した。
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