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研究目的及び実施計画に従い、軽量オブジェクトを支援するオペレーティングシステム(OS)の基本設計を行い、プロトタイプの実装を行った。
1.オブジェクトのネ-ミング、記憶構造、基本的な呼出し機構を設計した。
2.オブジェクトの保護領域(ドメイン)をユーザが操作するためのインターフェース、ドメインの管理機構を設計した。同一アドレス空間内に存在するドメインを不正なアクセスから互いに保護するため、ドメイン間呼出しにおいてアクセス権のチェックを行い、また、ドメイン外部の不正なアドレス参照を禁止する方式について検討した。とくに後者について、オブジェクト操作の効率を低下させないよう、ドメイン切替時にアドレス変換バッファを無効化し、不正なアドレス参照をOSが捕捉する手法を考案した。
3.キ-/ロック方式を拡張したオブジェクトの保護機構を設計した。キ-を割符として利用する方式、オブジェクトのクラスにキ-を対応させる方式、キ-をオブジェクト間で継承する方式を新たに考案した。
4.スレッドのスケジューリングおよび同期機構。カーネルとユーザレベルの協調による、効率的かつ柔軟な新しいスレッド機構を設計した。
5.以上の設計をもとに、フリーソフトウェアであるNetBSDを改造し、プロトタイプを実装した。今後、同じくフリーソフトウェアであるGNU Cのコンパイラに手を加え、上記のOSと連携させるための機構を設計・実装していく予定である。
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