動画像情報をデータベース化する場合、 1.データモデルに基づき、データベース・スキーマ(データ構造)を定義する。 2.入力映像の一連のフレーム列の中から、注目する被写体の外形、位置の変化、特徴的な動きなどをインデックスとしてデータ構造に従って蓄積する。 3.その他の名前や型番など、被写体についての通常「属性値」と呼ばれる文字・数値情報を蓄積する。 4.属性や外形などの情報を用いてデータベース言語を介して検索し、該当フレーム列を切り出す。 5.さらに各フレーム毎に(対象物の強調などの)簡単な画像処理を加え、それらをいったん蓄積してから、再生プログラムによって時間軸に合わせて連続表示する。 といった一連の作業が必要になる。 本研究では、このうち、1、2、5を中心に行った。主な研究成果は次の3項目である。 (1)データモデルについては、いわゆるマルチメディア情報を扱うことから、新しいデータモデルが必要であり、これに関して検討した結果、関数型データモデルによる表現が妥当かつ正確に行えること、及び、関数型操作系を用いて高度な検索操作が行え、またその結果としての映像オブジェクトを表現できることを示した。 (2)連続するフレーム列から、注目する被写体の外形を指定し、前後のフレーム列中で追跡する「チェイサ-」プログラムを開発し、正確性とスピードを評価した。 (3)映像の実時間再生および音声など他の時間軸をもつデータとの同期方法を確立した。 以上により、動画像を含むマルチメディアデータベースの実現可能性を示した。 なお、研究成果については(1)はジャーナル論文、(2)(3)は技術研究報告として公表した。
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