今年度は超音波断層画像を対象としたビデオ画像入力部の作成と、超音波画像の圧縮保存方法の検討を行い、現在開発中の心筋血流評価システムに対し、これらの機能組み込みを行った。 超音波画像を録画したVTR装置からは30枚/秒という膨大な画像データが送出されるため、これを計算機に一度に取り込むことは不可能である。従来は1〜2秒ごとに区切って取り込みを行っていたが、人手によるVTR操作は大変な労力がかかる上、ボタン操作タイミングのばらつきも無視できない量になる。今回VTRコントローラを介した計算機への画像データ取得システムを作成し、データ取り込みの自動化を図った。また分割入力した複数画像データを最も適切なポイントで連結するため、マッチング評価を時系列画像に対して行う手法を考案した。 超音波画像データをそのまま保存しようした場合、大容量(約500MB)のハードディスクでも高々1分間のデータしか格納できない。従って超音波画像データを管理する上で、画像データ圧縮は必要不可欠である。画像データに対しては様々な圧縮手法が提案されているが、ここでは超音波画像において計測データからの画像構成の際に挿入される補間データに着目し、これを取り除くことによってデータ量を削減する方法を考案した。これによってデータ量は元の約1/8となり、高速かつ効率の良い圧縮保存が可能になった。また圧縮過程において画素値ならびに画素同士の位置関係が変化しないため、この圧縮画像に対して画像処理を行うことも可能である。開発中の心筋血流評価システムに対しても、この画像データを処理対象にできるように現在改良中である。 本研究のターゲットとなる心筋血流評価システムについて、平成6年日本医用画像工学会第13回大会で報告した。
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