研究概要 |
本研究の目的は,画像処理/認識/生成,データベース,知識処理,マルチメディア処理などの諸技術を統合し,多様性のある情報源から,ユーザの要求に応じて,真に必要な情報のみを獲得・加工・生成する,新しいタイプの情報システムを構成すると共に,主観的情報処理と名付ける新しいパラダイムを明確化することにある.本年度は以下のテーマについて考察した。 1.地図画像からの論理的情報の獲得と構造化手法の検討 本年度は,ユーザの要求を満たす論理的情報を各種の画像処理/理解手法を駆使して地図画像から獲得する方式を明確化し,システムにモジュール化して実装した.ここでは,ベクトル表現された地図画像から,道路と交差点の幾何図形的特徴に着目して,種々の応用に対するデータ源となる道路ネットワーク(交差点,道路をそれぞれ節点,枝とし,長さ,形状,名称などの属性を付加したグラフ)の抽出,構造化手法を考案した.設備備品で購入したワークステーション(SparcStation5)で評価実験を行った結果,95%以上の抽出率を得た. 2.インタラクティブ情報加工によるデフォルメ地図作成方式の検討 本研究では,ユーザの地図理解を支援するために,オリジナル画像あるいは道路ネットワークデータに基づき,対話的に加工してデフォルメ地図を生成する手法を考察した.本手法では,経路探索基準及びデフォルメ度合にユーザの選好を反映させることができ,さらに地図画像に補足する形式で説明文を表示することができる.本手法を前述のワークステーションに実装し動作例を基に操作性を評価したところ,良好な結果を得た.
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