研究概要 |
ランク2条件を満たす準凹関数fを制約に持つ問題 min{cx|Ax【less than or equal】b,f(x)【less than を非凸問題の基本問題に据え、これに対して筑波大学電子・情報工学系の久野誉人助教授と共同で 1.近似最適解ではなく問題の真の大域的最適解を有限時間で与え 2.これまでに提案された近似解法よりも計算時間の点で優れている算法を提案することができた。この算法は 1.線形不等式Ax【less than or equal】bの定義する多面体の1次元フェィス(稜線)とランク2条件を満たす順凹関数fの決める曲面{x|f(x)=0}の交点の中に大域的最適 2.その交点の列挙はパラメトリックシンプレックス法と2次元多面体の端点列挙によって実行できる との2つの新しい成果に基づいている。ある程度組織的な計算実験を行い、これまでにTuy達の提案している近似解法と比較した結果、提案した算法の計算時間の平均はTuy達の方法の約50%、その分散は約10%といった好ましい結果を得ている。また、興味深いのは、近似解を与えることしか保証されていないTuy達の方法も、実験したすべての問題で大域的最適解を与えた点である。 来年度以降は 1.算法の有効性を損なわない範囲でランク2条件をどこまで緩めることができるかを研究し 2.さらに組織だった計算実験を行う 予定でいる。
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