研究概要 |
原子力政策に代表されるように科学技術政策は,極めて専門性が高く一般の市民が製作策定プロセスに関与することは,これまで殆ど無かったが,北九州市小倉での一般市民を対象としたアンケート調査から,原子力問題に対する関心は高いが,情報不足に対する不満が大きいことが示された.さらに,情報の有無によって関心が異なり,特に市民が積極的な活動の結果得た情報に対する信頼感と参加への意思に関連が見られ,そのような情報提供メディアに対する期待が大きいことも明らかになった. 以上の調査結果を踏まえ,市民が積極的に参加出来る情報メディアとしてインターネットに代表されるコンピュータネットワークに着目し,行政と市民あるいは市民間で情報の受発信が可能となるシステムとして,MICSを提案し,WWW上にインプリメントを行った.本システムは,インターネット上での長期に渡る実験運用を行うだけでなく,オンラインにて利用者に対するアンケート調査を実施した結果,市民が積極的に参加し,情報交換が可能となるメディアの必要性とインターネット上のWWWが,それらに条件を満たすメディアであることが明らかになった. しかしながら,現状のネットワーク環境や使い勝手では,一般市民が利用するには困難であるとの指摘もあり,今後の情報環境の整備が求められる.
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