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1995 年度 実績報告書

火山噴火の爆発エネルギー量の決定と爆風災害とに関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 06680437
研究機関大阪府教育センター

研究代表者

谷口 宏充  大阪府教育センター, 科学教育部・理科第二室, 主任研究員 (70125251)

研究分担者 伊藤 順一  工業技術院, 地質調査所・環境地質部・火山地質課, 通商産業技官
キーワード火山爆発 / 爆発エネルギー / エネルギー変換効率 / 物理計測 / 爆風災害 / 阿蘇火山 / 火砕流
研究概要

本研究では火山噴火によって発生する爆風過剰圧などの物理量を計測し、同時に、付随する火山災害・噴出物の分布を調査し、両者の定量的な関連づけと爆発エネルギー量の決定を行おうとするものである。
爆発的な噴火現象によって発生する火山災害や地質学的諸現象の分布は、爆発エネルギー量によって束縛されていると考える。もしこの考えが正しいなら、私たちは爆発エネルギーという只一個のパラメーターを定めることによって、他の全ての災害・地質現象の広がりや強度は数値シミュレションによって求めることができることになる。このことを実証するために、実際の火山噴火における爆発エネルギー計測方法の開発、実施、地質調査そして文献調査にもとづく災害・地質の諸現象と爆発エネルギー量との関連づけを試みた。その結果、以下の様なことがらが明らかになった。
1.爆発に伴う火砕流の最大到達距離は爆発エネルギー量によって規制されている。
2.火口の直径は爆発エネルギー量の1/3乗に比例し、核爆発やTNT爆発などと同一の実験式によって記述される。
3.マグマ噴火における熱エネルギーの爆発エネルギーへの変換効率は0.01〜0.4%、マグマ水蒸気爆発の場合には0.4〜7%程度であり、両者の間に明瞭な差がみられた。
4.従って、火口直下に蓄積されている熱量や地下の帯水層に関する情報が地磁気学的な手法などによって与えられるなら、可能性のある最大爆発エネルギー量は評価され、数値シミュレションなどによって、火山爆発に伴う災害や噴出物の分布は予測できることになる。また過去の噴出物の地質学的調査を行うことによって、災害や噴出物分布についての統計的な予測をすることが可能になるかも知れない。
阿蘇火山における1994年9月〜1995年2月までの計測結果によれば、各計測期間内における最大爆発エネルギー量は3×10^<15>erg程度であった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Taniguchi H.: "Universal viscosity-equation for silicate melts over wide temperature and pressure range." J. Volcanol. Geotherm. Res.,. 66. 1-8 (1995)

  • [文献書誌] Taniguchi H.: "Explosion mechanism generated beneath a hot rhyolitic lava flow: phreatomagmatic explosion of equilibrium destruction type" Proc. Internat. Sympo. Intense Multiphase Interactions, California. (印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 谷口宏充: "高温流紋岩質溶岩流-水接触型マグマ水蒸気爆発の発生機構" 日本地質学会 地質学論集「火山活動のモデル化」. (印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 谷口宏充 他5名: "普賢岳火砕流の物理計測の試み" 月間地球、海洋出版社. (印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 藤井直之・谷口宏充: "衝撃波ハンドブック(火山爆発に現われる衝撃波)" Springer-Verlag Tokyo, 1163-1165 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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