研究概要 |
ジャイロトロンの高周波数化及び発振の安定化 17T超伝導磁石を用いたサブミリ波ジャイロトロンを2次高調波で動作させることにより最高周波数849GHzの発振(出力50W)を得ており,光源としてよく利用されるHCNレーザーの発振周波数に迫るところまできた。このジャイロトロンでは,発振モードを切り替えることにより,発振周波数を159GHzから849GHzまでほぼ連続的に変化できることが分かった。 高クォリティビームを生成する伝送系の開発 モードの純度を高くし,生成ビームの空間的収束性を向上させるため,ミラー系による伝送系を設計した。‐40dB以上の強度を持つサイドローブを伴わない,良質のビームが生成されることが回析理論を用いた数値計算結果によって示された。この伝送系は,目的のモードに対してのみ選択的にビームエネルギーを伝送する(目的モードに対するエネルギー伝達率:83%,不要モードに対するエネルギー伝達率:数%)ことができる。このことは,モードの純度の向上と強力なビームの生成を可能にする。この伝送系によって良質のビームが得られることを確認するため,3次元的な可動機構を持ったビーム強度分布測定装置を製作した。この装置では,空間座標と電磁波強度の情報は,コンピューターに取込み,データー解析できる構成となっている。 高クォリティビームを用いたプラズマ散乱計測 核融合科学研究所にあるCHSプラズマ発生装置においてICRF加熱プラズマでのプラズマ散乱計測を行っている。現在はまだ,円形導波管を用いた伝送系によるシステムを使用している。得られた低周波密度揺動の結果は,反射計の結果とよく一致するものであり,今後詳細なデーターを積み重ねて,有効な加熱の実現にとって有用な情報を得て行く予定である。
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