新エネルギーアップコンバージョン機構の計算機シミュレーション(佐伯) 準1次元のPICコードを用いて長波長、低周波で大振幅のTrivelpiece-Gould(TG)モード波を励起した結果、TGモードが高周波の電子プラズマ振動にエネルギーアップコンバージョンすることを見い出した。この時の電子の位相空間(速度、位置)における振舞から、TGモード波による電子の電流変動が重要であり、局所的な電流駆動イオン音波不安定性により、イオン音波の変動に付随した低周波の電子変動が励起され、この変動が電流変動に伴うドップラーシフトにより高周波の電子プラズマ振動に変化する事が分かった。 新エネルギーアップコンバージョン機構の実験(佐伯) 「4現象バイポーラ電源」により生成した放電プラズマ中で、金属筒励起法により低周波の大振幅TGモードを励起した結果、高周波の電子プラズマ振動とイオン振動が観測されている。この励起法においては、大きなパルス電圧の印加によるパルス電子ビームが生じるので、現在、励起された波動が、アップコンバージョンされてできた電子プラズマ振動かどうかを検討中である。 電離層における新エネルギーアップコンバージョンの可能性の検討(天岸、佐伯) 電離層で存在が可能な、磁力線方向の位相速度が電子の熱速度より大きい低域混成波、運動論的アルフェン波においても、ここで述べたエネルギーアップコンバージョンは起きうることが分かった。
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