平面型ディスプレイは、ノート型パーソナルコンピュータや大画面を必要とするハイビジョンのディスプレイとして必要不可欠なものとして、極めて重要視されている。本研究では電界放出型エミッタを電子源として全く新しいプラズマプレイに関する基礎研究を行うことを目的としている。即ち、電界放出型ディスプレイの高電流密度放出電子源を利用して、プラズマディスプレイの短所である高電子駆動を30V〜40Vで駆動可能なフルカラープラズマディスプレイ実用化を目指している。 6年度では、低抵抗シリコン基板にホトリソグラフィ技術を利用して電界放出エミッタを作製した。ウェットエッチングによりシリコンコーンの作成後、セルフアライン手法を用いて、絶縁層、ゲート電極を蒸着し、先端の大きさが10nm程度の電界放出エミッタを作製した。作製した電界放出エミッタから放出する電子のエネルギー分布をシンクロトラックロックインアンプを利用し測定を行った。測定結果よりエミッタの幾何学的形状により放出電子のエネルギーが分散されることが分かった。 7年度では、静電界を用いたレンズ作用を持つ2重電極構造のエミッタを設計・作製し、その基本特性の測定より、計算機シミュレーションによる最適化コーンとの比較考慮より、エミッタ材料、形状により電子源の最適化を図った。今後はこれらの実験結果・シミュレーションをもとにしエミッタ上部に蛍光体を塗布し、高輝度高発光効率の電界放出型カラープラズマディスプレイを実現する。
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