定電位クロノアンペロメトリー法による白金/ジルコニア系高温空気電極の速度解析を目的とした。Y_2O_3を8mol%含むZrO_2を固体電解質として用い、これに白金ペーストを焼き付けて高温空気電極とした。電極系を800〜1000℃の間の一定温度に加熱し、5〜20mVの波高の一定電位の電位ステップをポテンシオスタットから発振し、空気極に印加した。そのとき両極間に流れる過渡電流をオッシロスコープで測定した。一方、Nowickの界面拡散モデルをこの白金電極に適用してFickの拡散方程式を解き、過渡電流の理論式を算出した。理論式中の未知パラメーターを任意に調節することにより、過渡電流の理論値と実験値が最もよく合うパラメーターとして未知パラメーターの値を決定した。得られたパラメーター値と白金粒子の粒径から界面の拡散係数と白金表面へのO_2分子の解離吸着定数を算出した。これらの係数は従来文献の値とだいたい一致していることが分かった。このことから、白金/ジルコニア系高温空気電極の反応機構は界面拡散機構によることが明らかになった。同様の実験と理論式への当てはめを行った結果、律速段階は測定温度、酸素分圧、電極の焼き付け温度に依存することが分かった。
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