ウランアルコキシドの最も単純な化学形を持ったウランメトキシド(IV)を調製するために、先ずその原料となるUCI_4を合成した。酸化ウラン粉末を約1000℃の水素ガス気流中で還元し、化学量論理的なUO_2とした後、このUO_2とCCI_4を以下に述べる2方法で反応させ、UCI_4を合成した。1つはUO_2粉末とCCI_4を同一の厚手ガラスカプセル中に溶封し、約300℃に加熱して反応させる方法。もう1つの方法では、石英管中の端にUO_2粉末をのせた磁性ボード置き、酸素フリーの雰囲気でこれを約550℃で加熱して、石英管の反対の端(室温)に置いたCCI_4の蒸気と反応させた。できたUCI_4は石英管の350〜400℃の部分に沈着した。後者の方法では、沈着したUCI_4は1〜2mm程度のきれいな結晶として得ることができた。また少量のUCI_6と考えられる結晶も生成したが、これは蒸気圧が高く沈着する場所もUCI_4と大きく異なったので、UCI_4に混入することはなかった。前者の方法では、後者で得られたものはどきれいな反応生成物は得られなかった。 合成したUCI_4は潮解性がありまた酸化されやすいので、後者の方法で得られたUCI_4結晶を乾燥窒素ガスを充填した簡易グローブパックに入れ、酸素及び水分フリーの雰囲気で粉末化した後、ガラスのキャピラリーに封入し粉末X線回析写真を撮った。これを文献値と比較検討した結果、ほぼ純粋はUCI_4であることが分かった。
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