研究課題/領域番号 |
06680462
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
吉田 崇 東京工業大学, 理学部, 助手 (50251608)
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研究分担者 |
辻 正道 炭素循環素材研究センター, 助教授 (20111643)
玉浦 裕 炭素循環素材研究センター, 教授 (00108185)
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キーワード | 二酸化炭素 / 一酸化炭素 / 鉄酸化物 / フェライト / マグネタイト / ウスタイト / 廃熱 / エネルギー |
研究概要 |
1.(ロジウム担持マグネタイトの合成と反応)水溶液反応により合成したマグネタイト上にロジウムを含浸し担持した材料は、水素で還元し活性化型にすることで、効率良く二酸化炭素を分解することが分かった。この反応は、水素還元時に生成するマグネタイト上の微細な金属ロジウムの触媒作用であると考えられるが、二酸化炭素からの酸素引き抜き反応が速く一酸化炭素の生成はほとんど起こらず表面にほぼ100%炭素として析出する。ただし、この炭素に水素を接触させることで表面炭素は、マグネタイトに比べ容易にメタン化し、廃熱利用型炭素循環システムの要素反応として利用可能である。メタン化反応の出発物質である炭素はα、βの二種類が確認され原子状炭素に近いα炭素がメタン化反応に有利であることが分かった。 2.(マンガン固溶ウスタイトの合成と反応)水溶液から合成したマンガンフェライトを300℃水素気流中で還元することによりマンガンウスタイト単相を合成した。300℃で行った二酸化炭素との反応は、25%が一酸化炭素に転換し炭素への分解は起こらなかった。また反応後の固相はニッケルフェライトとマンガン固溶ウスタイトであることが確認され、再度還元することで繰り返し反応を行うことが出来る。 3.(還元速度の解析)鉄酸化物の水素還元速度を解析する手法を確立した。マグネタイトの水素による活性下反応(Fe_3O_4+δH_2=Fe_3O_<4->δ+δH_2O)の正反応は種々の分圧化での重量変化から、逆反応は一定水蒸気分圧下での水素発生量から算出することが出来た。正反応の反応定数k1は10^<-9.58>、反応次数は水素分圧に対し1.11であった。逆反応はk2=10^<-2.54>、反応次数は水蒸気分圧に対し0.45、δに対し0.99であった。また、活性下エネルギーはそアレニウスプロットからそれぞれ63.8kJ・mol^<-1>、25.5kJ・mol^<-1>、と算出された。
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